ユーグリットの互除法の概要と証明
ユーグリットの互除法についてまとめます。
ユーグリットの互除法の定理
定理は以下のようになります
自然数a,bについて、aをbで割った余りをrとすると、
aとbの最大公約数は、bとrの最大公約数に等しい
ユーグリットの互除法の使用例
ユーグリットの互助法を使い319と143の最大公約数を求めてみます。
定理より319と143の最大公約数と319を143で割った余り33と商143の最大公約数は等しい、
319と143の最大公約数 = 143と33の最大公約数
今度は、143と33の最大公約数に着目して、143と33の最大公約数と143を33で割った余り11と商33の最大公約数が等しいから、
143と33の最大公約数 = 33と11の最大公約数
最後に、33と11の最大公約数と33を11で割った余り0との最大公約数に等しいということになりますが、
これ以上は簡単にできませんが、
33と11の最大公約数は11と簡単に求めることができます。
よって、=を辿って、319と143の最大公約数 = 33と11の最大公約数
ですから、319と143の最大公約数は11と求めることができます。
ユーグリットの互除法の証明
自然数a,bの公約数をdとします。
aとbは自然数l,mとd用いて、
$a = ld$
$b = md$
と表せます。
整数の割り算の等式より、
$a = bq + r - ①$
①にb = mdを代入して
$a = mdq + r - ②$
②をrについてまとめると
$r = d(l - mq) - ③$
③からdがrの約数であることがわかります。
また、dはa,bの公約数なので、dはbを割り切ります。
なので、dはrとbの公約数になります。
同様の方法で、d'がbとrの公約数だとすると、d'はaとbの公約数であることがわかります。
よって、aとbの公約数の集合とrとbの公約数の集合は正しく、最大公約数も同じになります。
初版:2020/4/19