整数が各々の倍数であることの証明方法
ある数がなんの倍数であるか問題の証明方法をまとめます。
以下4桁の自然を\(N = 1000a + 100b + 10c + d(a,b,c,dは0以上9以下の整数,a \ne 0)\)
として考えます。
ある整数が2の倍数である場合の性質
ある整数が2の倍数の時、1の位が偶数\((0,2,4,6,8)\)のいずれかになります。
2の倍数の証明
\(N = 2(500a + 50b + 5c) + d\)
となるので、d(1桁目の整数)が偶数になればいいことがわかります。
ある整数が5の倍数である場合の性質
ある整数が5の倍数の時、1の位が\((0,5)\)のいずれかになります。
5の倍数の証明
\(N = 5(200a + 20b + 2c) + d\)
となるので、d(1桁目の整数)が5の倍数になればいいことがわかります。
ある整数が3の倍数である場合の性質
ある整数が3の倍数の時、各位の数の和が3の倍数になります。
3の倍数の証明
ある数Nを4桁の自然数とし、
$N = 1000a + 100b + 10c + d$
(a,b,c,dは0以上9以下の整数でa $\ne$ 0)の場合を考えます。
$N = 3(333)a + 3(33)b + 3c + (a + b + c + d)$
$N = 3(333a + 33b + 3c) + (a + b + c + d)$
3(333a + 33b + 3c)は3の倍数なので、
各位の和であるa + b + c + dが3の倍数であれば、3の倍数になることが証明されます
ある整数が9の倍数である場合の性質
ある整数が9の倍数の時、各位の数の和が9の倍数になります。
9の倍数の証明
3の倍数のケースと同様に、ある数Nを4桁の自然数とし、
$N = 1000a + 100b + 10c + d$
(a,b,c,dは0以上9以下の整数でa $\ne$ 0)の場合を考えます。
$N = (999 + 1)a + (99 + 1)b + (9 + 1)c + d$
$N = 999a + 99b + 9c + a + b + c + d$
$N = 9(111a + 11b + c) + a + b + c + d$
9(111a + 11b + c)は9の倍数なので、
各位の和であるa + b + c + dが9の倍数であれば、9の倍数になることが証明されます
ある整数が4の倍数である場合の性質
ある整数が4の倍数の時、下2桁が4の倍数になります。
4の倍数の証明
3の倍数のケースと同様に、ある数Nを4桁の自然数とし、
$N = 1000a + 100b + 10c + d$
(a,b,c,dは0以上9以下の整数でa $\ne$ 0)の場合を考えます。
$N = 4(250a + 25b) + 10c + d$
と表せるため、10c + dつまり下二桁が4の倍数だと、4の倍数になることがわかります。
5桁の場合は10000が加わりますが、10000 = 4(2500a)と表すことができます。
3桁以上の自然数が8の倍数である条件
3桁以上の自然数をNとすると、Nの下3桁が8で割り切れる場合、
Nは8の倍数となります。
8の倍数であることの証明
Nを4桁の整数として、a,b,c,dを0以上9以下の整数とします。
$N = 1000a + 100b + 10c + d$
と表せて、これを変形すると
$N = 8 × 125a + 100b + 10c + d$
よって、
100b + 10c + d(3桁の数)が8の倍数ならばNは8の倍数になります。
5桁以降のケースも、1000以上の桁数は$125 × 8 × 10^n$と表せるので、8倍数であることがわかります。
7の倍数の判定方法
1の位から左へ3桁ごとに区切り、左から奇数番目の区画の和を引いた数が7の倍数になります。
7の倍数であることのへの理解
例として987654129で考えます。
3桁ごとに区切ると、
(987)(654)(129)になるので、奇数番目の数を足して、偶数番目を引きます。
(987 + 129) - (654) = 462
462は7の倍数なので、987654129は7の倍数になります。
この判定法は、\(10^3 + 1 = 7 \times 143,10^6 - 1 = 7 \times 142857,10^9 + 1 = 7 \times 142857143,\cdot \cdot \cdot\)
であることを利用しています。
初版:2020/4/20
更新:2020/6/22,2021/8/27(2と5と7の倍数の判定方法を追加)