酸と塩基の反応法則について
酸と塩基の反応には法則があり、それらに従うことで、暗記の量を少なくすることができます。
以下、それらをまとめます。
中和反応
酸と塩基が反応して塩と水ができる反応が中和反応です。
下記のように、酸の$H^{+}$と塩基の$OH^{-}$から水$H_2O$ができます。
$$H^+ + OH^- \rightarrow H_2O$$
金属元素の酸化物と水の反応
水に溶ける金属の場合、金属元素の酸化物に含まれる$O^{2-}$が溶け出します。
$O^{2-}$は2個の$H^+$を欲しがっているために$H_2O$に出会うと、
$H_2O$から電子を奪うので、以下のような反応が起こります。
$$O^{2-} + H_2O \rightarrow 2OH^-$$
上記のように金属元素の酸化物が水に反応する場合、対応する水酸化物が生じます。
金属元素の酸化物と水の反応の例
水に溶ける金属であるナトリウムとその酸化物である酸化ナトリウムと水との反応を例にします。
水に溶ける金属元素の酸化物と水との反応なので、イオン反応式は上記で学んだように
$O^{2-} + H_2O \rightarrow 2OH^-$
続いて、酸化ナトリウムと水の反応式を考えます。
酸化ナトリウムのOは$O^{2-}$なので、$H_2O$一個と反応して2個の$OH^-$が発生すると考えられるので、
$Na_2O + H_2O \rightarrow 2OH^- + 2Na^+$
残ったナトリウム陽イオンは水酸化物陰イオンと結合して、塩となるので
$Na_2O + H_2O \rightarrow 2NaOH$
常温で反応する金属は、アルカリ金属元素とアルカリ土類金属元素の酸化物になります。
イオン化傾向の低い金属元素は反応しません。
金属元素の酸化物と酸の反応
酸は定義より$H^+$を放出するので、$O^{2-}$が酸から$H^+$をもらって次のような反応を起こします。
$O^{2-} + 2H^+ \rightarrow H_2O$
金属元素の酸化物と酸の反応例
酸化銅(II)($CuO$)に希硫酸($H_2SO_4$)を加えた反応を例に反応式を確認します。
金属元素の銅に酸である希硫酸を加えた反応で、銅は希硫酸にとけるので、以下のイオン式の反応を考えます。
$O^{2-} + 2H^+ \rightarrow H_2O$
$CuO$の$O^{2-}$と希硫酸の2個の$H^+$が結合して、1つの水が生成されることがわかります。
残りの$SO_4^{2-}$と$Cu^2+$がイオン結合し以下の反応式になります。
$CuO + H_{2}SO_{4} \rightarrow CuSO_4 + H_2O$
非金属元素の酸化物と塩基の反応
非金属元素の酸化物と塩基が反応すると、対応するオキソ酸と塩が生成します。
非金属元素の酸化物と水の反応
非金属元素の酸化物と水が反応すると、対応するオキソ酸が生成します。
初版:2022/11/21