水に難溶なイオン結晶の一覧

水に難溶なイオン結晶(沈殿する)物質一覧は入試で問われるので、全部暗記する必要があります。

イオン化列に習い沈殿の有無が決まるので、これを基準にして覚えましょう。

水酸化物イオン($OH^-$)の沈殿

対象の陽イオン 説明
$Li^+ K^+ Ca^{2+} Na^+$ アルカリ金属元素とアルカリ土類金属元素の水酸化物は全て沈殿しにくいが、
図中のアルカリ金属($Li^+$,$K^+$,$Na^+$)とアルカリ土類金属($Ca^{2+})$は沈殿します。
$Mg^{2+}$ $Al^{3+}$ $Zn^{2+}$ $Fe^{2+}$ $Fe^{3+}$
$Ni^{2+}$ $Sn^{2+}$ $Pb^{2+}$ $Cu^{2+}$
水酸化物$M(OH)_n$の沈殿が生成!
$Hg^{2+}$ $Ag^{+}$ 水酸化物が分解し、酸化物の沈殿が生成する!

水酸化物イオンの沈殿の注意事項

$Mg(OH)_2$や$Ca(OH)_2$は濃度によっては、沈殿したりしなかったりする。
これが、入試で問われることがある。

硫化物イオン$S^{2-}$との反応

硫化ナトリウム水溶液や硫化水素ガスを陽イオンのはいっている水溶液に加えると、
以下の特定の陽イオンで沈殿生成反応が起きます。

水溶液の液性により、沈殿するかしないかが変わることに注意が必要です。

対象の陽イオン 説明
$Li^+$ $K^+$ $Ca^{2+}$ $Na^+$ $Mg^{2+}$ $Al^{3+}$ アルカリ金属元素とアルカリ土類金属元素の陽イオンは全て沈殿しにくい
$(Mn^{2+})$ $Zn^{2+}$ $Fe^{2+}$ $(Co^{2+})$ $Ni^{2+}$
中・塩基性下なら、硫化物の沈殿が生成する。
イオン化列に入っていないマンガンとコバルトが含まれていることに注意してください。
$(Cd^{2+})$ $Sn^{2+}$ $Pb^{2+}$ $Cu^{2+}$ $Hg^{2+}$ $Ag^{+}$ 液性関係なく、硫化物の沈殿が生成する。
イオン化列に入っていない$Cd^{2+}$が入っていることに注意!

塩化物イオンとの反応$Cl^{-}$との反応

対象の陽イオン 説明
$Ag^+$ $Pb^{2+}$ $Hg_2^{2+}$(水銀Iイオン) 塩化物イオンはほとんど沈殿を生成しません。
$Pb^{2+}$と$Cl^-$の反応である$PbCl_2$は熱湯に溶けることに注意です!

硫酸イオン$SO_4^{2-}$との反応

対象の陽イオン 説明
$Ca^{2+}$ $Sr2^{2+}$ $Ba^{2+}$ $Pb^{2+}$ アルカリ土類金属 $Ca^{2+}$ $Sr2^{2+}$ $Ba^{2+}$が沈殿します。
対象の陽イオン 説明
$Ag^+$ $Pb^{2+}$ $Hg_2^{2+}$(水銀Iイオン) 塩化物イオンはほとんど沈殿を生成しません。
$Pb^{2+}$と$Cl^-$の反応である$PbCl_2$は熱湯に溶けることに注意です!

クロム酸イオン$CrO_4^{2-}$との反応

対象の陽イオン 説明
$Pb^{2+}(PbCrO_4↓)$ $Ba^{2+}(BaCrO_4↓)$ $Ag^+(Ag_2CrO_4↓)$ 覚えるものは左の3つです。

炭酸イオン$Co_3^{2-}$との反応

対象の陽イオン 説明
$Ca^{2+}(CaCO_3↓)$ $Sr^{2+}(SrCO_3↓)$ $Ba^{2+}(BaCO_3↓)$ 沈殿しにくいアルカリ土類金属ですが、図の3つの元素は沈殿するので、覚える必要があります。

初版:2022/10/31

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