覚えるべき酸化剤と還元剤とその反応
覚えないといけない酸化剤と還元剤とその反応についてまとめます。
基本は色のついた化学式を覚えて、あとは$H_2O、e^-,H^+$をそれぞれの辺に追加して、
数を合わせることにより、全体を導くようにします。
まず覚えないといけない酸化剤についてまとめます。
覚えないといけない酸化剤
ハロゲン
ハロゲンは電子を7この価電子で電子を強く欲し、他から電子を奪う力が強いので酸化剤として働きます。
$$Cl_2 + 2e^- → 2Cl^-$$
$$Br_2 + 2e^- → 2Br^-$$
$$I_2 + 2e^- → 2I^-$$
硝酸
濃硝酸と希硝酸で反応が違うので注意しましょう。
濃硝酸:$HNO_3$ $ + H^{+} + e^- →$ $NO_2$ + $H_2O$
希硝酸:$HNO_3$ $ + 3H^+ + 3e^- →$ $NO$ + $2H_2O$
熱濃硫酸
$H_2SO_4$ $ + 2H^+ + 2e^- →$ $SO_2$ + $2H_2O$
過マンガン酸カリウム
$MnO_4^-$ $ + 8H^+ + 5e^- →$ $Mn^{2+}$ + $4H_2O$
酸化マンガン(Ⅳ)
$MnO_2$ $ + 4H^+ + 2e^- →$ $Mn^{2+}$ + $2H_2O$
二クロム酸カリウム
$Cr_2O_7^{2-}$ $ + 14H^+ + 6e^- →$ $2Cr^{3+}$ + $7H_2O$
二クロム酸カリウムの化学式は、$K_2 Cr_2 O_7$です。
これを
勝つ($k_2$)ぞクロムに($Cr_2$)ななさん($O_7$(「さん」は酸素のさん))で,
とまず語呂で覚えましょう。
反応式の左辺$Cr_2O_7^{2-}$は二クロム酸カリウムから$K_2$とったもの、つまり$^{2+}$を除くので、電子は$^{2-}$になります。
右辺($2Cr^{3+}$)は、二クロム($2Cr$)さん($^{3+}$)と覚えましょう。
覚えないといけない還元剤
還元されることによって、$e^-$を放出します。
基本は赤字の化学式飲みを覚えて、$H_2O,e^-,H^+$を加えて、両辺の数を合わせることで導きます。
水素
$H_2$$ →$ $2H^{+}$ + $2e^-$
イオンか傾向が大きい金属類
リッチに借りようかなで、覚えるイオン化傾向の強い金属類は還元剤として作用します。
Na(例):$Na$$ →$ $Na^{+}$ + $e^-$
硫化水素
$H_2S$ $ → $ $S$ + $2H^+ + 2e^-$
塩化スズ(Ⅱ)
$Sn^{2+}$ $ → $ $Sn^{4+}$ + $2e^-$
硫酸鉄(Ⅱ)
$Fe^{2+}$ $ → $ $Fe^{3+}$ + $e^-$
シュウ酸
$(COOH)_2$ $ → $ $2CO_2$ + $2H^+ + 2e^-$
チオ硫酸ナトリウム$(Na_2S_2O_3)$
$2S_2O_3^{2-}$ $ → $ $S_4O_6^{2-}$ + $2e^-$
ヨウ化カリウム(KI)
$2I^-$ $ → $ $I_2$ + $2e^-$
酸化剤にも還元剤にもなりうる物質
酸化剤にも還元もなりうる物質があります。
入試に出る数は少ないので、頑張って覚えましょう。
過酸化水素
酸化剤:$H_2O_2$ + $2H^+ + 2e^-$ → $2H_2O$
還元剤:$H_2O_2$ → $O_2$ + $2H^+ + 2e^-$
二酸化硫黄
酸化剤:$SO_2$ + $4H^+ + 4e^-$ → $S$ + $2H_2O$
還元剤:$SO_2$ + $2H_2O$ → $SO_4^{2-}$ + $4H^+ + 2e^-$
初版:2022/9/22
更新:2022/10/22(二クロム酸カリウムの覚え方を追加)