相加平均・相乗平均の大小の証明方法
相加平均と相乗平均について説明します。
相加平均とは
実数$a$,$b$があるとすると、
$\displaystyle {a + b \over 2}$
を相加平均といいます。
相乗平均とは
$a > 0,b > 0$としたとき、
$\sqrt{ab}$
を相乗平均といいます。
相加平均・相乗平均の大小について
$a > 0$,$b > 0$のとき
$${a + b \over 2} \geqq \sqrt{ab}$$
が成り立ちます。
つまり、
相加平均 $\geqq$ 相乗平均
になります。
また、$=$となるときは、$a = b$のときに限ります。
相加平均・相乗平均の大小の証明方法
恒等手段として、左辺から右辺を引いて、式の2乗の形にもっていくことで証明します。
$\displaystyle {a + b \over 2} - {\sqrt{ab}}$
ここで、式を$\displaystyle \frac{1}{2}$でくくると、よく見る形にもっていくことができます。
$\displaystyle {1 \over 2} \{ a - 2 \sqrt a \sqrt b + b \} $
$\displaystyle {1 \over 2} \{ (\sqrt a)^2 - 2 \sqrt a \sqrt b + (\sqrt b)^2 \} $
式を2乗の形にして
$\displaystyle {1 \over 2} (\sqrt {a} - \sqrt{b})^2 >= 0 - ①$
という感じで証明できます。
等号の成立条件
先の証明の式
$\displaystyle {1 \over 2} (\sqrt {a} - \sqrt{b})^2 >= 0 - ①$
①より、$a = b$の時、等号が成立することがわかります。
初版:2018/7/10
更新
2021/7/12(肝心な式が間違っていました...)
2022/7/24(分数式をdisplaystyleに変更)
2023/8/12(等号条件を追加)