2項定理について
2項定理の概念・公式についてまとめます。
2項の以下のような展開式があるとします。
$(a + b)^2$
この式を展開すると、
$a ^ 2 + 2ab + b^2$
となりますが、この項の係数の出力には法則があって、それを2項定理といいます。
2項定理の公式
$(a + b)^n$
として、展開すると
$(a + b)^n = {}_n \mathrm{ C }_0 a^n + {}_n \mathrm{ C }_1 a^{n-1}b + {}_n \mathrm{ C }_2a^{n - 2}b^2 + \cdot \cdot \cdot {}_n \mathrm{ C }_ra^{n - r}b^r + \cdot \cdot \cdot + {}_n \mathrm{ C }_nb^n$
2項定理の公式を導くための考え方
自然数nの展開式について、
\((a + b)^n = (a + b)・・・①(a + b)・・・②...(a + b)・・・ n\) ((a + b)がn個存在する)
の展開式は、n個の因数a + bのそれぞれからaまたはbを取り出したn個の文字の積の和で、
このとき、\(a^{n - r}b^r\)の項は①,②,nからbをr個選び、残りのn-r個からaを選んで掛けたもので、
この形の積は、\({}_n \mathrm{ C }_r\)個存在する。
よって、\((a + b)^n\)の展開式における\(a^{n - r}b^r\)の項の係数は、
\({}_n \mathrm{ C }_r\)
\({}_n \mathrm{ C }_ra^{n - r}b^r\)を\((a + b)^n\)の展開式の一般項という
2項定理の利用方法
2項定理の中で現れる項
${}_n \mathrm{ C }_ra^{n - r}b^r$
を利用することで、2項を展開する上で現れる項の係数を簡単に求めることができます。
2項定理の利用例
以下のような例題があるとします。
$(a + b)^5$を展開した時の$a^2b^3$を求めよ
2項定理を利用すると、$r = 3$のとき、$a^2b^3$が現れます。
よって、求める係数は
${}_5 \mathrm{ C }_3a^{5 - 3}b^3 = 10a^2b^3$
よって、係数は10になります。
初版:2019/10/19
修正:2021/7/9