対数の底の変換公式と対数の性質について、その証明について
アルゴリズムの本を読んでいる時など、なにかと色々な場面で登場する対数はちゃんとしたプログラマーには理解必須です。
対数の性質と底の変換公式とその証明方法について、まとめたいと思います。
対数の性質をまとめる
($M > 0$,$N > 0$,$k$は実数とする)
$$log_{a}MN = log_{a}M + log_{a}N - ①$$
$$log_{a}\frac{M}{N} = log_{a}M - log_{a}N - ②$$
$$log_{a}M^k = klog_{a}M - ③$$
対数の性質の証明
$log_{a}M = p$
$log_{a}N = q$とすると、
$M = a^p$
$N = a^q$
指数法則より、
$MN = a^pa^q = a^{p + q}$から両辺$a$を底とする対数をとると
$log_{a}MN = p + q$
すなわち
$log_{a}MN = log_{a}M + log_{a}N$ - ①
また、指数法則より$\displaystyle \frac{M}{N} = \frac{a^p}{a^q} = a^{p - q}$
より、両辺に$a$を底とする対数をとると
$\displaystyle log_{a}\frac{M}{N} = p - q$,すなわち
$\displaystyle log_{a}\frac{M}{N} = log_{a}M - log_{a}N$ - ②
また、同じく指数法則より、
$M^k = (a^p)^k = a^{pk}$
両辺に底を$a$とする対数をとって
$log_{a}M^k = pk$,すなわち
$log_{a}M^k = klog_{a}M$ - ③
底の変換公式
$\displaystyle log_{a}b = \frac{log_{c}b}{log_{c}a}$($a,b,c$は正の数で,$a \ne 1,b \ne 1,c \ne 1$)
底の変換公式の証明
$log_{a}b = p$とおくと、
$a^p = b$
両辺の$c$を底とする対数をとります
$log_{c}a^p = log_{c}b$
対数の性質③より
$plog_{c}a = log_{c}b$
$a \ne 1$だから、$log_{c}a \ne 0$
$log_{c}a$で両辺を割って
$\displaystyle p = \frac{log_{c}b}{log_{c}a}$よって、
$\displaystyle log_{a}b = \frac{log_{c}b}{log_{c}a}$
となり、底の変換公式を証明することができました。
初版:2019/8/9