ロルの定理とその証明
ロルの定理は以下のようになります。
ロルの定理
関数f(x)が閉区間[a,b]で連続、開区間(a,b)で微分可能で、
$f(a) = f(b)$なら
$f'(c) = 0,a < c < b$
を満たす実数cが存在する
ロルの定理の証明
f(x)は閉区間[a,b]で連続であるから、この区間で最大値Mと最小値mを持ちます。
M,mの少なくとも一方はf(a) [= f(b)]と異なります。
$M \ne f(a)$のとき、$M = f(c)$とすると、
$f(a) = f(b)$より$c \ne a,c \ne b$だから
$a < c < b$
また、$|\Delta x|$が十分小さい時
$f(c) \geqq f(c + \Delta x)$だから
$\displaystyle \lim\limits_{\Delta x \to +0} \frac{f(c + \Delta x) - f(c)}{\Delta x} \leqq 0 (\Delta x > 0)$,
$\displaystyle \lim\limits_{\Delta x \to -0} \frac{f(c + \Delta x) - f(c)}{\Delta x} \geqq 0 (\Delta x < 0)$
つまり、
$f'(c) \leqq 0$かつ$f'(c) \geqq 0$
したがって
$f'(c) = 0$
$m \ne f(a)$のときも同様に$m = f(c)$とすると
$f'(c) = 0,a < c < b$となります。
初版:2022/3/1