楕円・双曲線の焦点、準線について

楕円と双曲線の焦点、準線の定義と求め方をまとめます。

楕円と双曲線の焦点、準線について

楕円の焦点と準線については以下のように表されます。

楕円の焦点:F(ae,0)
楕円の準線:$x = \dfrac{a}{e}$

双曲線の焦点:F'(-ae,0)
双曲線の準線:$x = - \dfrac{a}{e}$

楕円・双曲線の焦点が2点$(\pm c,0)(c > 0)$のとき、
離心率eは

$e = \dfrac{c}{a}$

楕円は、$c = \sqrt{a^2 - b^2}$

双曲線は、$c = \sqrt{a^2 + b^2}$

準線・焦点の式の求めかた

$F(ae,0),l:x = \dfrac{a}{e}(a > 0,e > 0,e \ne 1)$とし、
P(x,y)とします。

Pからlに下ろした垂線をPHとすると

$FP = \sqrt{(x - ae)^2 + y^2}$
$PH = |x - \dfrac{a}{e}|$

FP : PH = e : 1より、$FP^2 = e^2PH^2$だから

$(x - ae)^2 + y^2 = e^2|x - \dfrac{a}{e}|^2$

$(x^2 - 2aex + a^2e^2) + y^2 = e^2x^2 - 2aex + a^2$

整理して、

$(1 - e^2)x^2 + y^2 = a^2(1 - e^2)$

両辺を$a^2(1 - e^2)(\ne 0)$で割って

$\displaystyle \frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{a^2(1 - e^2)} = 1$ - ①

①を元に考えます。

楕円のケース

0 < e < 1のとき、$1 - e^2 > 0$であり、
$a \sqrt{1 - e^2} = b$とおくと、

$b^2 = a^2(1 - e^2)$から

$a^2e^2 = a^2 - b^2$

①より$\displaystyle \frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1(a > b > 0)$

$\displaystyle e = \frac{\sqrt{a^2 - b^2}}{a}$

この楕円は、y軸に対して対称だから、点(-ae,0)も焦点で、
対応する準線は$x = - \dfrac{a}{e}$になります。

双曲線のケース

e > 1のとき、$1 - e^2 < 0$で、
$a \sqrt{e^2 - 1} = b$とおくと、

$b^2 = a^2(e^2 - 1)から$

$a^2e^2 = a^2 + b^2$

①より$\displaystyle \frac{x^2}{a^2} - \frac{y^2}{b^2} = 1(a > 0,b > 0)$

$\displaystyle e = \frac{\sqrt{a^2 + b^2}}{a}$

この双曲線は、y軸に対して対称だから、点F'(-ae,0)も焦点で、
対応する準線は$x = - \dfrac{a}{e}$になります。

初版:2022/2/4

このエントリーをはてなブックマークに追加