逆関数について

逆関数の定義、求め方などのを確認します。

逆関数の定義

関数f : A ⇨ B( A,Bが実数の集合)では、Aの異なる要素を$a_1,a_2$として、
これらが、Bの同じ要素(bとするに)対応することもあるので、
一般にBの要素を定めてもAの要素が一つに定まるとは限りません。

例えば、
関数$y = x^2$はxの異なる値-1,1がyの同じ値1に対応するので、 Bを一つの要素(1)に定めても、$A(a_1(1),a_2(-1))$となるので、一つの要素に定まっていません。

関数fが一対一の関数であるとき、つまり

$a_1 \ne a_2$ならば$f(a_1) \ne f(a_2)$

の時は、Bの要素bを定めると、それに対応するAの要素がただ一つに定まります。

この要素をbの原像といい、$f^{-1}(b)$で表します。

このとき、bに対して$f^{-1}(b)$を定める対応はBからAへの関数となります。

この関数$f^{-1}$をfの逆関数といいます。

1次関数$y = ax + b(a \ne 0)$は一対一の関数なので、逆関数は必ず存在します。

逆関数の求め方

関数$y = f(x)$の逆関数y = g(x)は次のように求められます。

1.関係式$y = f(x)$を$x = g(y)$の形に変形する

2.xとyを入れ替えて、$y = g(x)$とする(このとき$f^{-1}(x) = g(x)$)

3.g(x)の定義域は、f(x)の値域と同じにとる。

逆関数の性質

逆関数の代表的な性質をまとめます。

①$b = f(a) \leftrightarrow a = f^{-1}(b)$

$y = f^{-1}(x)$は$y = f(x)$の逆の対応なので、

$b = f(a) \leftrightarrow a = f^{-1}(b)$

②$f^{-1}(x)$の定義域はf(x)の値域
$f^{-1}(x)$の定義域はf(x)の定義域

①を考えます。

③関数y = f(x)と逆関数$y = f^{-1}(x)$のグラフは、
直線y = xに関して対称である。

関数y = f(x)のグラフ上の点をP(a,b)とするとb = f(a)が成り立つ。
よって、$a = f^{-1}(b)$が成り立つので、点Q(b,a)は逆関数$y = f^{-1}(x)$のグラフ上にある。

2点P(a,b),Q(b,a)は直線y = xに関して対称だから、
$y = f(x)$のグラフと$y = f^{-1}(x)$のグラフは直線y = xに関して、
対称であるといえます。

④単調に増加、または単調に減少する関数については、その逆関数がある。

グラフを考えると、単調に増加、または単調に減少する関数y = f(x)では、
$a_1 \ne a_2$ならば$f(a_1) \ne f(a_2)$が成り立ちます。

よって、b = f(a)となる実数aがただ一つ定まるので、逆の対応y → xも関数となるので、
逆関数が存在するといえます。

初版:2022/2/11

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