$\displaystyle \sqrt{a^2 - x^2}$型の積分
有名な置換積分の一つである $\displaystyle \sqrt{a^2 - x^2}$型の積分に方法に関して、解説します。
この場合、$x = asinθ(- \dfrac{1}{2} \lt θ \lt \dfrac{1}{2})$と置くことで計算がうまくいきます。
実例で計算過程を見ていきましょう。
$\displaystyle \int_{0}^{1} \sqrt{4 - x^2}$
この形は、$\displaystyle \sqrt{a^2 - x^2}$に当てはまるので、$x = asinθ$と置きます。
$\displaystyle x = 2 \cdot sinθ(- \dfrac{1}{2} \lt θ \lt \dfrac{1}{2}) - ①$と置く、
$\displaystyle \sqrt{4 - x^2} = \sqrt{4 - 4sin^{2}θ} = \sqrt{4(1 - sin^2θ} = 2 \sqrt{cos^{2}θ} = 2cosθ$(角度条件より$cos$は+)
また、①の両辺を微分して
$\displaystyle \dfrac{dx}{dθ} = 2cosθ$
$\displaystyle dx = 2cosθdθ$
また$x$と$θ$の変域は
$x| 0 → 1$
$θ| 0 → \dfrac{π}{6}$
以上より
$\displaystyle \int_{0}^{1} \sqrt{4 - x^2} = \int_{0}^{\frac{6}{π}} 2cosθ \cdot 2cosθdθ$(次に半角の公式を使って$cos^2θ$を書き換えます)
$ = \displaystyle \int_{0}^{\frac{6}{π}} 2(1 + cos2θ)dθ = 2[θ + \dfrac{π}{6} + \dfrac{1}{2} \cdot \dfrac{\sqrt{3}}{2}]_{0}^{\frac{π}{6}} = \dfrac{π}{3} + \dfrac{\sqrt{3}}{2}$
このように平方根が消えるので、計算が楽になります。
初版:2023/5/12
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