近似値について

大学入試は問題文にて近似値が与えられそれを利用して、式を簡単にして答えを出すという形式がよく見られるので、 近似値の公式を覚える必要はありませんが、使い方に慣れておく必要があります。

近似値の公式

変数$x \ll 1$(xが1よりも十分小さいとき)

$$\displaystyle (1 \pm x)^n \approx 1 \pm nx$$

この式を利用する例題を見てみましょう

近似値の例題

以下のような三角形が与えられており、CBを求めたいとします。

近似値の利用を説明するための三角形

このとき条件として、$AB \ll l$(ABはlよりも十分小さい)ことと
$\displaystyle \left( \frac{AB}{l} \right) ^2 = 0$が与えられているとします。

角度θとその間の両辺がわかっているので、余弦定理を使って、$CB^2$を求めます。

$CB^2 = l^2 + (AB)^2 -2lABcosθ$

$CB = \sqrt{l^2 + (AB)^2 -2lABcosθ}$

ここで、$\displaystyle (1 \pm x)^n \approx 1 \pm nx$を利用するために$l^2$を無理やり作り出して外に出します。

$\displaystyle CB = l \sqrt{1 + (\frac{AB}{l})^2 - \dfrac{2ABcosθ}{l}}$

ここで条件より、

$(\dfrac{AB}{l})^2 = 0$

$AB \ll l$より両辺をlで割ると、$\dfrac{AB}{l} = 1$

これらを使うのと、ルートを$\dfrac{1}{2}$で表すと

$\displaystyle CB = l(1 - \dfrac{2ABcosθ}{l})^{\frac{1}{2}}$

近似値の式

$\displaystyle (1 \pm x)^n \approx 1 \pm nx$

を利用します。

xは、ここでは$\dfrac{2ABcosθ}{l}$に当たりますね。

また近似値なので、$\approx$に注意して

$\displaystyle CB \approx l (1 - \frac{1}{2} \times \dfrac{2ABcosθ}{l})$

$\displaystyle CB = l - ABcosθ$

初版:2022/12/8

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